本当に購買につながっている?インフルエンサーマーケティングの課題と対策
近年、インフルエンサーを起用し、自社商品のPRを行うインフルエンサーマーケティングを実施する企業が増えています。しかし同時に「効果が計測しにくい」「売上に結びついているかわからない」といった課題も聞こえてきます。本記事はインフルエンサーマーケティングのよくある課題と解決策を紹介します。
SNSの普及で「個人の発信力」が増加
近年、SNSの普及により、個人が発信力を持つようになっています。同じ趣味・趣向を持つ人同士のコミュニティが形成され、その中でも注目を集めているのがインフルエンサーという存在です。
インフルエンサーとは、世間に対して大きな影響力をもつタレントやファッションモデル、スポーツ選手や特定の分野の知識人、個人ブロガーなどを指します。インフルエンサーが発信する情報はコミュニティからの信頼を得やすく、他のユーザーの購買意思決定に影響を与えます。
企業からは効果的な情報発信の手段として選ばれており、インフルエンサーマーケティングを行う企業も少なくありません。多くのユーザーに影響を与えているインフルエンサーマーケティングですが、課題も生じています。
効果が見えにくい?インフルエンサーマーケティングの課題
インフルエンサーマーケティングの特徴は、やはりインフルエンサーを活かしたアプローチを行う点にあります。インフルエンサーが商品やサービスを紹介することで、企業発信の情報ではなくユーザー視点のレビューが見込めるため、見ているユーザーに共感や関心を芽生えさせ、購買意欲を刺激します。
しかし注目が集まる一方で、新たな懸念も生じています。
株式会社サイバーエージェントの「インフルエンサー活用状況に関する調査」によると、インフルエンサーマーケティングにおける課題として、『最適なインフルエンサーの選び方がわからない42%』、『施策の効果がわかりづらい38%』、『効果計測ができない23%』などが挙げられています。
出典:株式会社サイバーエージェント「インフルエンサー活用状況に関する調査」(https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=21673)
最適なインフルエンサーの選び方がわからない
インフルエンサーを活用したマーケティングを実施するためには、自社商品に関係する業界やコミュニティ内で一定の影響力があるインフルエンサーを選定する必要があります。
しかし、フォロワー数の水増しが横行している昨今では、フォロワー数のみで影響力を図ることは困難となっていますまた適切と思ったインフルエンサーを活用しても、そのインフルエンサーが炎上してしまった場合、批判が飛び火してしまうリスクもあります。こういった点を考慮した上で、インフルエンサーを選定していくことが重要となります。
施策の効果がわかりづらい
インフルエンサーマーケティングには施策の効果がわかりづらいといった課題もあります。
施策が効果を上げているかどうかの指標としては、売上が施策前後でどれだけ増加したかで見るとわかりやすいですが、インフルエンサーマーケティングは短期的には大きな影響を与えないケースも少なくありません。
そのため、実施前にはKPIを設定し、実施前には、どのような目的でインフルエンサーを活用するのか、KGIはなにか、短期で達成しておきたい効果は何で、どのくらいの量なのかを設定し、事前にインフルエンサーと打ち合わせをしておくことが重要となります。
インフルエンサーマーケティングの今後
インフルエンサーマーケティングの指標として、「フォロワー数」や「いいね数」が重要視されることが一般的でした。数が多いほど影響力があると考えられており、インフルエンサーの力を表す1つの指標とされてきました。
しかし近年では偽フォロワーや偽いいねを悪質な手口で増やす行為が確認されています。そのため、一見影響力がありそうなインフルエンサーでも実のところ数字ほどの影響力はない見せかけのインフルエンサーも存在します。いまやフォロワー数やいいね数の多さは信頼のおける数値とは言い切れなくなってしまいました。そこで今後のインフルエンサーマーケティングにおいては、量だけではなく、コンテンツとして商品やサービスをより魅力的に伝えられるかといった質の部分の重要度が増すことが予想されます。
ではどのように質の高いインフルエンサーマーケティングを実施すれば良いのでしょうか。次章にてご説明します。
効果を可視化できるライブコマース
先に述べたインフルエンサーマーケティングの課題であるインフルエンサーの選定や効果がわかりにくいことを解決しつつ、インフルエンサーの特徴を活かし質の高いコンテンツを提供する手段として有用なのがライブコマースです。
ライブコマースは、動画にて商品紹介を配信し視聴者に購入してもらうという販売の形態です。日本でも徐々に人気が高まっていますが、中国や台湾ではすでに主要なマーケティングの1つとして大きな盛り上がりを見せています。
ライブコマースであれば、自社の商品やサービスをよく理解しているスタッフがインフルエンサーとして配信を実施することができ、ライブコマース支援サービスを提供する企業のコンサルティングサービスを通して、ライブコマースに精通したインフルエンサーをアテンドすることも可能なため、選定に時間がかかるといった課題を解決することができます。
また、ライブコマース支援ツールを活用することで、再生数や視聴時間、購入率といった数字だけではなく、個々のユーザーが動画視聴前にどのような行動をしていたか、また視聴後はどのような行動をとり結果的に購買につながっていたのかなどユーザーに与える影響も可視化できます。
インフルエンサーマーケティングを実現するライブコマース
各店舗のスタッフが配信者となりファンを増やすことでインフルエンサーへと育成することも可能なうえ、自社ブランドやマーケティングの目的に合致したインフルエンサーを探す手間もかかりません。
また、インタラクティブなコミュニケーションで実店舗での接客さながらに商品を紹介し、視聴者からの質問や疑問にリアルタイムに答えることができるので、安心感や信頼感を与え、ユーザーとの強い関係性を構築することにもつながります。
昨今のコロナ禍においては感染症拡大のリスクを避けるため、非接触での購買体験を好むユーザーも増えています。このような社会情勢を考慮しつつ購買につながるインフルエンサーマーケティングを実現するには、ライブコマースの活用が重要となってきます。
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