従来ECでは物足りない?新たな購買体験が求められる美容・コスメEC

美容・コスメ業界でもEC市場は拡大傾向にあります。しかし、購入前に自分の肌へのタッチアップが当たり前など、商材特性もありECでの購入に対し消極的な消費者がまだまだ多いのは事実です。本記事ではこうした美容・コスメ商材の購買行動にマッチしたECの新しい取り組みについてご紹介します。

美容・コスメのEC市場は拡大傾向

経済産業省「電子商取引に関する市場調査※1」によると、物販系分野におけるBtoC-EC市場規模は2018年時点で9兆2,992億円でしたが、2019年には10兆515億円となっており、8.09%の伸び率となりました。

物販系分野の中でも美容・コスメを含む化粧品、医薬品のBtoC-EC市場規模は2019年時点で6,611億円となっており、前年よりも7.75%成長しています。EC化率も前年の5.80%から6.00%に増加しました。

コロナでこの成長はより一層加速し、2021年以降もEC化率は急速に増加することが予想されています。

※1出展:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(2020年7月)
https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200722003/20200722003.html

「おこもり美容」など自分のための美容のニーズが急増

美容・コスメのEC市場が拡大を期待されている背景の1つには、新型コロナウイルス感染拡大によるテレワークの普及や外出自粛要請などで、必然的に増えたおうち時間に行われる「おこもり美容」が挙げられます。

毎日出社や外出するのが当たり前だった時期には、肌や髪のお手入れを十分にやりきれていなかったケースも少なくありません。しかし、時間に余裕が生まれたことで、おろそかになりがちだった肌や髪のケアをする「おこもり美容」を実践する人が増え、それに伴って、美容・コスメのニーズも急増しています。

使ったことのない美容・コスメ商品購入への不安

美容・コスメのEC市場の拡大が期待される一方で、「自分に合っているだろうか?」や「実際の使用感はどうか?」など、ECだけでは確認しきれないという消費者の不安の声もあります。

実店舗で購入する場合は、タッチアップや店員・美容部員の方への質問によってこのような不安を解消することができますが、ECによる購入の場合、実際に使用するまでわからないため、慎重になる消費者が多いのが現状です。

商品情報だけでは選ばれない!?美容・コスメ業界の購買行動変化

「おこもり美容」により、消費者の美容・コスメに対する認識・価値観も変化しています。従来であれば、出勤・外出時の身だしなみ・マナーとしてメイクアップをするという人が多かったのですが、自分自身のスキンケアや健康のために美容・コスメを利用するという人も増えてきています。

美容・コスメに対する消費者の認識・価値観の変化により、購買行動や購買基準にも変化がみられるようになりました。香料や成分、効能を記載するだけの商品情報だけでは、消費者の心は掴みにくくなってきており、商品・ブランドに対する信頼感や実際の使用感・口コミ情報を重視し、購入する消費者が増えてきています。

美容部員や開発者が直接魅力を伝えるライブ配信が注目

このように使用感・口コミを重視しはじめている消費者が増える中、各社はソーシャルメディアを通じて信頼感のある情報を発信し続けたり、実際に使用している様子を投稿したりとさまざまな取り組みを強化されています。

そうした中、美容部員や開発者が直接魅力を伝えるライブコマースに取り組む企業が増加しています。

ライブコマースとは、ライブ配信で商品を紹介し、購入してもらう新しい販売・マーケティング手法で、「EC×ライブ配信」の新しい販売戦略として注目されています。

リアルタイムで商品に対する不安や悩みを解消

前述したような消費者の不安を解消する1つの方法が接客を通じた不安や疑問の解消です。従来のECサイトでは、個々の不安を解消することは難しかったですが、双方向にコミュニケーションが可能なライブコマースであれば、実店舗での接客と遜色ない対応を実現できます。

また、配信者を選定する際は、美容部員や開発者を軸に置いた選定が重要となってきます。美容部員や開発者であれば、豊富な商品知識や開発秘話など消費者の商品に対する不安や悩みを解消したうえで、購買意欲を刺激するような話題も提供できる可能性が高くなります。

ライブ配信自体がコンテンツとなり集客に貢献

ライブコマースを活用することで、消費者の不安を和らげ、コンバージョン率・購入率を高めることができます。さらに、配信者と視聴者との双方向なやり取りを共有するライブ配信自体がエンターテイメントコンテンツともなり、集客やブランド認知拡大の効果も期待できます。

消費者自身がコメントを通じて参加できるだけでなく、他の消費者とのやりとりを通じて、配信者の反応を楽しむことや、自分だけでは気づけなかった商品のポイントを知ることもできます。

映像コンテンツのため、画作りによっては、ラグジュアリーな雰囲気から、アットホームな雰囲気までつくることができるため、商品のブランドイメージに合わせた世界観を消費者に訴求できます。

ライブコマースが実店舗の来店促進にも

ライブコマースの効果はオンラインだけにとどまりません。ライブ配信に実際に店舗で接客している美容部員を起用することで、その美容部員にファンがつき、実店舗に来店し、購買するということも起こり始めています。

ライブコマースはオンライン上での接客を通じて、購買を促すだけでなく、来店促進にもつながる、オンライン・オフライン双方に良い影響を与える施策です。ライブコマースをはじめてみたい、さらに事例や詳しい情報を知りたいという方は、お気軽にご相談ください。

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