コロナの影響で EC 化率は増加。しかし利用に不安を抱えるユーザーも

新型コロナウイルスの影響で、店舗への来店機会が減り EC 利用者が増加しました。しかし EC に対して「商品の細部を確認できない」や「即座に相談できない」などの不安を感じている消費者も少なくありません。本記事ではこのような課題を解決する手法として注目を集めているライブコマースについて解説します。

コロナの影響で増える EC 利用率

経済産業省の「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)※1」によると、 EC 市場規模は 2010 年から 9 年連続で上昇しており、 2019 年には 19.4 兆円規模に拡大。企業の EC 化率においても同様に増加傾向にあります。

総務省統計局の「新型コロナウイルス感染症で変わるネットショッピング」によると、 EC 利用世帯は 2019 年以降に前年とほぼ同じ割合となり EC の普及に頭打ち感が見られました。しかし新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が発出された 2020 年 4月以降は再び上昇し、 5 月には 2002 年以降初めて 5 割を超えました。 

さらに緊急事態宣言解除後の 6 月も 50.8% と高水準を維持しており、一過性の事象ではないことがわかります。

※1 出典:経済産業省「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」(https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200722003/20200722003-1.pdf)

「初めて EC 利用者」の増加

EC利用率が急激に増えている要因の1つとして、いままで使用していなかった層が利用し始めたことがあります。

総務省統計局の「新型コロナウイルス感染症で変わるネットショッピング※1」によると、利用世帯の割合は全世代で増加が見られるだけでなく、 65 歳以上の高齢世帯においても 3 割以上が EC を利用しており、新型コロナウイルスによって EC 利用者の増加に拍車がかかっていることがわかります。


※1 出典:総務省統計局「新型コロナウイルス感染症で変わるネットショッピング」(https://www.stat.go.jp/info/today/162.html)

EC の利用頻度も増加

また、既に使用したことのある層のリピート利用が増加したことも要因です。三井住友カード株式会社の「今後もオンラインサービスを利用したいという人は 8 割以上!多種にわたるキャッシュレス決済の選ぶ理由も徹底調査!」によると、約 3 人に 1 人の割合で 2019 年と比較し 2020 年はオンラインショッピング利用が増えたと回答する結果となっています。

さらに、今後も利用するとの回答が約 8 割以上となっており、便利で簡単な EC のメリットを実感した多くの人がアフターコロナでも利用したいと考えているとの結果となりました。

しかしEC 化率が増加する一方で、 EC におけるデメリットも存在します。次章にて現在のEC に潜むデメリットをご紹介します。

EC 利用に不安を感じるユーザーも

EC 市場はインターネットの普及により便利さが認知されたことで拡大が進んでいますが、ユーザーにとって不安材料となっている要素も存在します。

商品の細部が確認できない

商品を実際に手に取れない不安感からネットショッピングに抵抗を感じているユーザーも依然存在しています。実店舗のショッピングであれば、商品を手に取って確認できますが、 ネットショッピングではWebサイトに掲載されている画像やテキスト情報のみでしか判断できないことから購買に至らないケースもあります。

疑問点をリアルタイムで相談できない

実店舗のショッピングであれば、店員にその場で知りたいことを質問し疑問点を解消することが可能ですが、 ネットショッピング ではお問合せをメールで送付し回答を待つなど、疑問点や不明点を確認するのに時間がかかってしまいます。

リアルタイムで疑問を解消できないことにストレスを感じてしまい、離脱するユーザーも存在しています。

EC 利用時の不安が解消できるライブコマース

ライブコマースとは、ライブ配信とECを組み合わせた新しい販売手法です。オンライン上で、販売員が実店舗のような感覚で、リアルタイムに接客・販売できる新しいECのカタチです。従来のEC において課題とされてきたユーザーの不安要素を解消することができ、顧客満足を高める施策として期待されています。

実店舗のようなショッピング体験を実現

ライブコマースは、画像やテキスト情報だけでは伝えきれなかった情報も提供することができます。

特に、ファッションやコスメ商品のように実際の着用感や使用感など、従来のネットショッピングで伝える上で限界のあった情報も、スタッフが実際に着用したり、使用方法や感想を交えて紹介したりすることで、詳しく商品の魅力を伝えることが可能となります。

ライブコマースは、商品の魅力を十分に納得することで購入につながりやすくなるだけでなく、購入後の「思っていた商品と違った」といったミスマッチも減らすことも期待できます。

リアルタイムのオンライン接客で疑問点をすぐに解消

現在のECサイトでは、一方通行でしか情報を伝えることができず、販売者はお客様が購入前に知りたい情報を補うことができませんでした。
ライブコマースは、実店舗と同じようにスタッフが接客を行い、リアルタイムで疑問点に応えることができるため、疑問点をその場で解消できることはもちろん、商品の使用感や効果を理解してもらうことも容易となります。

さらに参加者は、販売者と別のユーザーのやり取りも参考にして商品を検討できるため、実店舗以上に満足感を得られる可能性があります。

顧客が安心して購入できる環境を作るために

新型コロナウイルスの流行で、巣ごもり消費や、店員との接触を避けた買い物を可能にするEC利用が増えるなか、従来ECに潜むデメリットを解消しユーザーが安心して商品を購入する環境を提供することがますます求められています。

ユーザーの EC 化率が増加する中、他社との差別化を図る要素としてもライブコマースを活用することは今後の EC 運営において重要なポイントになるでしょう。

▶ 「EC×ライブ配信」の新しい販売戦略。ライブコマースとは

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